工学系

社会基盤デザインコース

地盤力学

科目分野 理工学部
選必区分 選択
担当教員
[ローマ字表記]
上野 勝利 [Katsutoshi Ueno]
授業形態 講義

授業の目的

地盤力学では,最近の土の力学の理論的基礎を成している限界状態の土質力学を粘土・砂を対象にして修得することを目的としている.まず最初に,飽和粘土のせん断特性に関する代表的な実験結果を提示し,粘土材料の応力・ひずみに関する特徴を講述する.また,砂の応力・ひずみ関係への拡張法も説明し,粘土の場合との相違点を明確にする.さらに,土固有の弾塑性論に必要な構成方程式の導出過程を講述し,その数値解析への応用例を最近の研究成果を参考に提示する.これらを通じて現代土質力学の理論的基礎である限界状態の土質力学を体系的に修得させる.

授業概要

まず,正規・過圧密粘土の典型的な排水・非排水試験結果を示す.これらの実験結果から、限界状態線の存在を明示し、その三次元的表現を習得させる.さらに、過圧密粘土の挙動からHvorslev Surfaceを誘導する.そして、砂に対する排水・非排水試験結果から、砂の限界状態線・降伏曲面を示す.以上の試験結果から、粘土・砂の応力・ひずみに存在する構成関係を講述し、両者の相違点を明確にする。
 土固有の弾塑性論の特徴を説明し,まず,破壊前、すなわち、弾性体としての土の理論を講述する.さらに、土の塑性論として,土の降伏面の形状および関連流れ則からカムクレイモデルを導出する.この構成関係の有限要素法への適用法を述べ,粘土および砂地盤に対する数値計算例を示す。

到達目標

1. 土の力学の理論的基礎を成している限界状態の土質力学を粘土・砂を対象にして理解する。
2. 弾塑性論に必要な構成方程式の導出過程を理解し,その数値解析への応用例を知る。

授業計画

第1回:ガイダンス・カムクレイモデルとは?
第2回:正規圧密粘土の排水・非排水試験結果
第3回:過圧密粘土の排水・非排水試験結果
第4回:限界状態線の三次元的表現
第5回:過圧密粘土の挙動、完全な限界状態曲面の形状,Hvorslev Surface の誘導
第6回:破壊時の排水・非排水における平均応力、偏差応力
第7回:典型的な砂の排水試験 結果, 砂の限界状態線・降伏曲面
第8回:前半の振返り,前半試験
第9回:土の弾塑性論の特徴
第10回:破壊前の挙動
第11回:土の関連流れ則
第12回:カムクレイモデル
第13回:有限要素法への適用
第14回:変形解析例 (その1) 飽和粘土地盤
第15回:変形解析例 (その2) 飽和砂地盤
定期試験:後半試験

キーワード

排水・非排水試験,構成式,弾塑性論,限界状態