鉄筋コンクリート力学
| 科目分野 | 理工学部 |
|---|---|
| 選必区分 | 選必修 |
| 担当教員 ［ローマ字表記］ |
橋本 親典, 渡邉 健 [Chikanori Hashimoto, Takeshi Watanabe] |
| 授業形態 | 講義 |
授業の目的
現在の社会基盤整備を支えており，鋼構造とともに建設構造物の主要な構成要素である鉄筋コンクリート構造物を，合理的でかつ経済的に造ろうとする場合，鉄筋コンクリート独特の力学に関する知識が要求される．本講義では，鉄筋コンクリート力学に関する基礎技術について理解する．毎回の講義以外に小テストや2回の試験および数回のレポートを通してその知識を身につける．
建設工学の専門応用科目群の1分野である鉄筋コンクリート工学に関連する実務問題に正しく適用できる能力を養い，鉄筋コンクリート構造物の設計に必要な基礎知識を身につける．
授業概要
鉄筋コンクリートの特徴ならびにコンクリートと鉄筋の力学的性質についての理解する．次に，鉄筋コンクリートの設計法が，許容応力度設計法から限界状態設計法に移行した設計法の変遷ならびに内容について理解する．実際に設計に必要な曲げ耐力，曲げと軸方向力に対する耐力，せん断耐力について，力学的観点から理解する．また，曲げ応力度，ひび割れ幅等の設計項目についても理解する．最後に，現在の土木構造物の耐震設計の概念について理解する．
到達目標
- 限界状態設計の概念を理解するために，鉄筋コンクリートの特徴および鉄筋とコンクリートの応力ひずみ関係を理解し，等価応力ブロックの算定方法，鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力の算定方法を習得する．
- 鉄筋コンクリート部材の曲げ応力度と曲げひび割れ幅の算定方法，ならびに，曲げと軸力を受ける部材の耐荷力およびせん断耐力の算定方法を習得する．
授業計画
- ガイダンスおよび鉄筋コンクリートの特徴:教科書pp.7～10
- コンクリートおよび鉄筋の力学的性質:教科書pp.11～22:レポート1<正規分布と安全係数の関係>
- 限界状態設計法と部分安全係数(限界状態設計法の基本的考え):教科書pp.23～26
- 限界状態設計法と部分安全係数(部分安全係数の基本的考え):教科書pp.26～30
- 断面の曲げ耐力(等価応力ブロック) :教科書pp.31～36:レポート2<等価応力ブロックの式の導出>
- 断面の曲げ耐力(曲げ耐力の算定式):教科書pp.36～47
- 中間試験(到達目標1:第1講～第5講まで範囲)
- 曲げ応力度:教科書pp.87～94
- 曲げひび割れ幅に対する検討:教科書pp.95～102
- 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(基本的考え方) :教科書pp.48～53
- 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(例題に基づく相互作用図の作成) :教科書pp.54～58:レポート3<相互作用図の作成問題>
- 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(レポート3の解説) :教科書pp.54～58
- 棒部材のせん断耐力(斜めひび割れ発生時のせん断耐力の算定):教科書pp.59～64
- 棒部材のせん断耐力(せん断補強鉄筋降伏時のせん断耐力の算定) :教科書pp.64～71
- せん断耐力と曲げ耐力の関係・構造物の破壊形式:レポート4 <破壊形式に関する演習問題>
- 期末試験(到達目標2:第6講，第8講～第15講まで範囲)および授業評価アンケートの実施
教科書
鉄筋コンクリート工学【三訂版】／岡村 甫：市ヶ谷出版社，2000, ISBN:9784870711532
キーワード
鉄筋コンクリート, 限界状態設計法, 曲げ耐力, 曲げ応力度, せん断耐力
