理学系

物理科学系講座

放射線科学

科目分野 理工学部
選必区分 必修
担当教員
[ローマ字表記]
伏見 賢一 [Kenichi Fushimi]
授業形態 講義

授業の目的

物質科学に関する幅広い知識を養う.放射線の測定は,原子核・素粒子物理学のみならず,環境科学,地球科学の研究にとっても非常に重要である.本講義では,放射線の種類,エネルギー及び放射線と物質の相互作用について解説する.物質科学及び環境科学における放射線計測に必要な放射線に関する基礎知識を解説する.

授業概要

放射線を利用した各種研究に必要な基礎知識の修得.

到達目標


  1. いくつかの放射性物質について崩壊図式を描いて崩壊の説明をすることができる.放射性同位体の半減期と量から放射能の強さを計算する事ができる.放射線と物質の相互作用について理解し,放射線の防護に及び測定を正しく実施できる.生物に対する放射線の影響を正しく理解する.放射線障害防止法の精神について正しく理解する.

授業計画


  1. 放射線の種類,放射能の意味

  2. アルファ線,アルファ線と代表的なアルファ線放出核種

  3. ベータ線,ベータ崩壊と代表的なベータ線放出核種

  4. γ線放射と原子核の励起状態,X線の放射,内部転換

  5. 中性子線,核分裂と中性子,原子炉の原理(伏見)

  6. 放射能の崩壊. 半減期,平均寿命,崩壊系列と放射平衡

  7. 放射線と物質の相互作用(断面積,平均自由行程,減衰長)

  8. 荷電粒子の物質内におけるエネルギー損失I(重粒子)

  9. 荷電粒子の物質内におけるエネルギー損失II(電子)

  10. 光子(γ線,X線)と物質の相互作用

  11. 中性子と物質の相互作用

  12. 生物への影響I(被ばく線量の計算)

  13. 生物への影響(確定的影響と確率的影響)

  14. 放射線の遮蔽及び管理

  15. 法律(放射線障害防止法の考え方,各種規制)

  16. 総合演習

教科書

初級放射線 : 第2種放射線試験受験用テキスト/鶴田隆雄 編,:通商産業研究社,2012, ISBN:9784860451097
教科書 飯田博美編 「初級放射線(平成17年度改正法令対応改訂版)」 通商産業研究社

キーワード

放射線