現象数理1
科目分野 | 理工学部 |
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選必区分 | 選択 |
担当教員 [ローマ字表記] |
安本 真士 [YASUMOTO MASASHI] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
微分積分や線形代数等の発展的概念として,曲線の微分幾何の基礎を習得することを目的とする.その応用として,幾何的形状を決定する数理モデルについても学ぶ.
授業概要
曲線と曲面の微分幾何は現代微分幾何の根幹をなす重要な研究分野であり,数学研究としてだけでなく関連諸分野とも関わりを持ちながら研究が進められている.本授業では,平面曲線に焦点を当てて,平面曲線の曲がり具合を記述する「曲率」を数学的に定式化し,曲率が満たす性質をいくつか紹介する.また,懸垂線と弾性曲線と呼ばれる古典的な対象を通して,ある種のエネルギーの最小解・極小解を求める変分問題と,その解から定まる幾何的形状について学ぶことを目的とする.
到達目標
主に以下の2点を理解することを目標とする.
1. 平面曲線の曲率の概念と基本的な性質を理解し,曲率を具体的に計算出来るようになる.
2. 変分問題の考え方と,曲線の微分幾何に関連する変分問題の古典例を理解する.
授業計画
各回で取り扱う内容は以下の通りである.ただし,各回の進行状況によって多少内容は前後する.
第1回 平面曲線の表示と平面曲線の長さ
第2回 平面曲線の弧長パラメータ表示
第3回 平面曲線の曲率の幾何学的意味
第4回 平面曲線に対するFrenetの公式
第5回 平面曲線論の基本定理
第6回 閉曲線の幾何:平面曲線の回転数
第7回 平面曲線の変分と変分ベクトル場
第8回 第1変分,第2変分
第9回 懸垂線
第10回 懸垂線の安定性
第11回 弾性エネルギーと弾性曲線
第12回 弾性曲線の安定性
第13回 空間への拡張(1):空間曲線の曲率と捩率
第14回 空間への拡張(2):Frenet-Serretの公式
第15回 全体の総括
第16回 定期試験
キーワード
曲線,曲率,変分問題