理学系

数理科学コース

幾何学2

科目分野 理工学部
選必区分 選択
担当教員
[ローマ字表記]
安本 真士 [YASUMOTO MASASHI]
授業形態 講義

授業の目的

幾何学の発展的概念の習得がテーマとなる。目標は多様体論・リー群論の基礎的な内容の習得および応用についての習得。

授業概要

グラフは位相幾何的な問題と関連しているが、他にもディンキングラフやコクセターグラフの様に対称性の強い図形の表現にも大変有効に利用されている。そのグラフ理論の知識を基にリー群とリー環の理論の基礎について講述する。リー群論は可微分構造を持つ群であり、その対称性の強さゆえ物理学に於ける応用などがよく知られている。本授業では先ずよく知られた線形群とそのリー環を解説し、三次元に於ける具体例を紹介する。また古典的なユークリッド幾何の内容と対比させて三次元の直行群の有限部分群がどのような三次元の幾何学的対象を表現したものであるのかを紹介する。更にリー郡とリー環の対応について学んだ後で、ディンキン図による単純リー環の分類を行い、例外型のリー環とリー群の構成を行う。この様な一連の講義を通して、対称性の強い幾何学的対象の理論を習得する。

到達目標

幾何学とは、図形およびその入れ物である空間の性質を明らかにすることを目的とした理論である。その中でも、非常に性質の良い幾何学的対象であるため応用範囲の広い可微分多様体について講述し、数理的な考え方の有効性や汎用性を理解することを目標とする。

授業計画

第1回:多様体          
第2回:ユークリッド空間と連続変換群
第3回:リーの基本定理      
第4回:リー環と随伴表現
第5回:指数表示と微分表現    
第6回:普遍被覆群
第7回:イデアルと半単純リー環  
第8回:カルタン部分代数
第9回:キリング形式とルート   
第10回:ディンキン図
第11回:キリング・カルタンによる単純リー環の分類
第12回:ワイル群        
第13回:古典型単純リー環
第14回:例外型単純リー環    
第15回:物理への応用について
定期試験

教科書

特になし

キーワード

多様体、リー群、リー環