バイオメカニクス
科目分野 | 理工学部 |
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選必区分 | 選択 |
担当教員 [ローマ字表記] |
松本 健志 [MATSUMOTO TAKESHI] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
力学的な諸法則に基づく解析や生体データの解釈によって生体の構造や機能を理解し、生体現象の力学的合理性や柔軟性を医学・生物学分野や日常生活にフィードバックすることを目標とする。
授業概要
本授業では,1)血管の形態,2)輸送血管と呼ばれる比較的太い血管,3)抵抗血管と呼ばれ収縮・弛緩作用を持つ微小血管,4)心臓力学,5)心血管疾患の5項目について,心血管の形態・構造,血液の流れ,循環調節機能やその破綻について講義する。1)では血管壁の構造や血管分岐パターンの合目的性や最適性,2)では流体と弾性体のカップリング現象としての血流,3)では微小循環レベル特有の血液の非ニュートン性や赤血球流れ,および微小循環調節,4)ではしなやかなポンプとしての心機能,および心筋の収縮下で心筋に血液を送る冠循環について学ぶ。5)では循環調節系の力学的環境への適応破綻が関与している心血管疾患を紹介し,その治療や予防への機械工学的なアプローチについて触れる。
到達目標
生体の内部環境の恒常性維持の根幹をなしている心血管系の現象を取上げる。心血管系の複雑精緻な階層構造から生まれる多様でしなやかな機能の理解を通して,身近な生体現象を力学的観点から解釈する力を修得する。
授業計画
第1回:序論(医療と工学)
第2回:血管形態 (1)組織構造
第3回:血管形態 (2)分岐パターン
第4回:太い血管 (1)血管-血流相互作用
第5回:太い血管 (2)脈波
第6回:微小循環 (1)血液のレオロジー
第7回:微小循環 (2)血球のメカニクス
第8回:微小循環 (3)血流分配
第9回:微小循環 (4)血流調節機能
第10回:心臓力学 (1)心臓生理
第11回:心臓力学 (2)心筋
第12回:心臓力学 (3)圧‐容積関係
第13回:心臓力学 (4)ポンプ機能・エナジェティクス
第14回:心臓力学 (5)冠循環
第15回:心血管疾患
第15回:定期試験
教科書
:コロナ社
キーワード
血管,筋肉,細胞,力学特性,エナジェティクス,拍動,計測,力学的適応