機械力学2
科目分野 | 理工学部 |
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選必区分 | 必修 |
担当教員 [ローマ字表記] |
日野 順市, 南川 丈夫 [Junichi Hino, MINAMIKAWA TAKEO] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
本授業では,機械振動の基礎的事項を説明できること,機械振動に係わる運動方程式を導出できること,自由振動および強制振動の運動方程式の解析ができること,学習した振動理論を機械の振動現象の把握および機械設計に応用できる能力を持つこと目標にする。
授業概要
本講義では,自由振動,強制振動,自励振動の違いについて説明し,振動分析の方法として,調和分析,フーリエ級数について学習する。振動の解析として,1自由度の振動系について運動方程式の導出から始め,自由および強制振動の理論を学習する。また,固有振動数および減衰比の概念についても理解し,それらを計測した振動データから導出する方法についても説明する。1自由度系の理論の応用として振動伝達および力の伝達について理解して振動の絶縁の概念を学ぶ。振動の計測として,サイズモ系の原理について学習し変位計および加速度計の原理について学ぶ。スカイフックダンパ制御による振動制御についても説明する。 2自由度系においても自由振動および強制振動の理論を学習し,固有振動数および振動モードについて理解する。さらに,振動制御のための動吸振器について減衰なしの系により原理を説明し,実際の粘性動吸振器の理論へと発展させる。多自由度系へと理論を発展させてゆくため,運動方程式導出のために,影響係数およびラグランジュの方程式を利用する方法について理解する。また,振動モードの直交性についても説明し,連続体の振動およびコンピュータ解析についてもふれて,応用範囲を広げる方策についても学ぶ。
到達目標
1.機械振動の基礎的事項を説明できる
2.機械振動に係わる運動方程式を導出できる
3.自由振動および強制振動の運動方程式の解析ができる
4.学習した振動理論を機械の振動現象の把握および機械設計に応用できる能力を持つ
授業計画
第1回:機械振動の基礎(1)自由振動,強制振動,自励振動,規則振動,不規則振動,単位系
第2回:機械振動の基礎(2)調和振動,振動のベクトル表示,調和分析,フーリエ級数
第3回:1自由度系の振動(1)自由振動,不減衰系,運動方程式,固有角振動数
第4回:1自由度系の振動(2)減衰系,対数減衰率,減衰固有角振動数
第5回:1自由度系の振動(3)強制振動,力励振,変位励振,振動の絶縁
第6回:2自由度系の振動(1)自由振動,振動数方程式,固有角振動数,振動モード,初期値問題
第7回:2自由度系の振動(2)強制振動,強制振動解,振幅比,減衰の無い動吸振器の原理,粘性動吸振器の設計
第8回:前半の総括と中間試験(前半部分の評価および達成度確認)
第9回:振動の計測 サイズモ系の原理,変位計と加速度計
第10回:振動の制御 スカイフックダンパ制御
第11回:多自由度系の振動(1)運動方程式のベクトル・行列表記,影響係数
第12回:多自由度系の振動(2)ラグランジュの方程式
第13回:多自由度系の振動(3)固有値問題,固有ベクトルの直交性
第14回:連続体の振動 弦の振動,棒の振動,はりの振動,変数分離形
第15回:振動のコンピュータ解析 ヤコビ法,オイラー法,ルンゲクッタ法
定期試験
教科書
基礎振動工学/芳村敏夫, 横山隆, 日野順市 著,:共立出版,2002, ISBN:9784320081437
キーワード
機械振動,自由振動,強制振動,固有振動数