メカトロニクス工学
科目分野 | 理工学部 |
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選必区分 | 必修 |
担当教員 [ローマ字表記] |
越山 顕一朗, 浮田 浩行 [KOSHIYAMA KENICHIROU, Hiroyuki Ukida] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
機械工学と電子工学が融合した一大学際領域の技術分野であるメカトロニクスの概要を把握することを目的とする。本講義では、負帰還増幅器とOPアンプ回路の重要性や自動制御理論との関連性を、電子回路の一般的な知識や概念とともに教授し、各種センサとアクチュエータの動作原理とそれらの駆動回路を理解する。また、講義を通じてデータシートから必要な情報を抽出することの重要性や、生体工学やロボット工学とのつながりについても学ぶ。
授業概要
「メカトロニクス」とは,「メカニックス」と「エレクトロニクス」という単語が結合した人造語である。現在では,光学,分光学,数学,分析化学,生化学など,多くの分野の知識の融合により新機能・高性能装置,もしくはデバイスを創出するといった「学際領域の一大技術分野」を形成している。「マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)」といった言葉も産業界では当然のように受け入れられており,制御工学の知識を導入してコンピュータにより機械の知能化を図る技術分野でもある。したがってこの分野に精通するためには,装置の製作,計測といった観点から,全ての領域の知識と技術を総合的に精通する必要がある。しかし,本講義では特に重要な以下の内容に限定する。すなわち,メカトロニクスの分野の背景を意識しつつ,以後の講義を理解するために,最初に電子回路の基礎的かつ一般的な知識と概念を身につける。特に負帰還増幅器とOPアンプ回路を自動制御理論と関連させて理解する。次に,各種のセンサの動作原理とそれらの駆動回路を理解する。 後半では,各種のモータの動作原理と駆動回路を理解する。講義を通じてデータシートから必要な情報を抽出することの重要性を理解する。講義の最後にかけて,メカトロニクスと生体との関わり合いについてその概要を把握し,ロボット工学という分野とのつながりを認識する。
到達目標
- 基本的なセンサの動作原理と駆動回路を理解すること
- 各種モータの動作原理と駆動回路を理解すること
- データシートから必要な情報を読み取れるようにすること
授業計画
- 電子回路の基礎的事項(1)定電圧源,定電流源,入出力インピーダンス
- 電子回路の基礎的事項(2)共振回路,ブリッジ回路,ダイオード,トランジスタ,FET
- 負帰還増幅器の基礎
- OPアンプ回路の基礎
- センサ工学の一般論
- 温度センサ(熱電対,白金測温抵抗体,焦電検出器)
- 光センサ(フォトダイード,光電子増倍管),磁気センサ(ホールセンサ,磁気抵抗素子)
- 圧力センサ,AC電流センサ,超音波センサ,味覚と匂いセンサ
- モータの種類と基礎的事項
- DCモータの動作原理と駆動
- ACモータおよびステッピングモータ
- モーターの制御と位相同期回路
- 生体とメカトロニクス
- PLL回路
- 予備日
- 定期試験
教科書
メカトロニクスの基礎/渋谷恒司著:森北出版,2016, ISBN:9784627675216
キーワード
センサ, モータ, オペアンプ, アクチュエータ