加工学2
科目分野 | 理工学部 |
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選必区分 | 選択 |
担当教員 [ローマ字表記] |
米倉 大介 [Daisuke Yonekura] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
塑性加工は塑性変形能を利用して金属材料を所定の形状寸法に成形する加工技術で,溶融加工や除去加工と並んで今日の高度な生産技術の基盤を成し,現代社会における高品質かつ安価な製品の効率的な生産に欠かすことのできない重要な地位を占めている。本講義では,様々な塑性加工の手法を学び,それぞれの要点や特徴ならびにその力学的な基礎である塑性力学に基づいた加工力の推定手法の理解などを通じて実践的なものづくりのための素養を養うことを目的としている。
授業概要
延性金属にその降伏強さを越える応力を加えると塑性変形を生じる。金属の塑性を利用してこれに所定の形状寸法を付与する成形加工法を塑性加工という。塑性加工は,製品の精度・生産性および材質面での優位さから,加工学1で学ぶ除去加工と共に今日のものづくりに欠かせない重要な地位を占めている。本講義では,材料力学1や機械材料学1とも関連付けながら、鍛造・圧延・押出し・引抜き・板成形など主要な塑性加工法の原理や特徴を理解するとともに,塑性力学に基づいた加工力の推定方法の基礎を学ぶ。
到達目標
1.塑性加工の長所短所を説明できる。
2.降伏条件式や応力-ひずみ関係式で,金属の塑性変形の状態を表現できる。
3. 主要な塑性加工法の概要を説明できる。
4.主要な塑性加工法の加工力を推定できる。
授業計画
1. 塑性加工の意義と特徴
2. 単軸引張り・圧縮における金属材料の応力とひずみ
3. 多軸状態における応力の表現
4. 多軸状態におけるひずみ
5. 降伏条件
6. 応力-ひずみ関係式(1) 相当応力と相当ひずみ
7. 応力-ひずみ関係式(2) ひずみ増分理論
8. 圧延加工
9. 押出し荷重
10. 引抜き加工
11. せん断加工
12. 曲げ加工
13. 絞り加工
14. 鍛造加工
15. 鍛造加工の力学
16. 定期試験
教科書
塑性加工入門/日本塑性加工学会 編,:コロナ社,2007, ISBN:9784339045840
キーワード
塑性,降伏,鍛造,圧延,引抜き,押出し,プレス加工,スラブ法