トップ シラバス管理 光システムコース 光応用工学計算機実習

工学系

光システムコース

光応用工学計算機実習

科目分野 理工学部
選必区分 必修
担当教員
[ローマ字表記]
岸川 博紀, 水科 晴樹, 鈴木 秀宣, 柳谷 伸一郎, 片山 哲郎, 岡本 敏弘, 南 康夫, 河田 佳樹 [KISHIKAWA HIROKI, MIZUSHINA HARUKI, Hidenobu Suzuki, Shinichiro Yanagiya, KATAYAMA TETSUROU, Toshihiro Okamoto, Yasuo Minami, Yoshiki Kawata]
授業形態 実習

授業の目的

計算機はあらゆる分野で不可欠であり,光技術者として計算機を用いた問題解決能力を養うことは重要である.ここでは,光学材料,光デバイスから光情報システムまでの光技術に関する基本的な課題に取り組み,計算機を有効に活用できる能力を高めることを目的とする.

授業概要

この授業は2期に分けて進められ,各7週ずつ実施する.受講者はそれぞれの期間において用意されている課題から一つを選択し,計2つの課題を行う.用意されている課題は以下の6つである.

課題1: 半導体レーザの基本特性評価と設計 (担当: 岡本敏弘).光共振器寿命や光導波モード,パルスレーザ動作などのシミュレーションを行うためのプログラムをPythonで作成する.また,それらを用いて半導体レーザの設計を行う.

課題2:偏光の行列計算(担当: 岸川博紀).光の偏光状態を表現し,またその変化を記述する方法として,ジョーンズ計算法・ミュラー計算法などの行列法が知られている.数式処理ソフトを用いて計算機でこれらを計算する方法を習得する.

課題3: 光計測に関する数値解析の基礎 (担当: 片山哲郎).時間分解分光計測のいくつかの事例に対して「モデル化」および「計算式の組み立て方」に関する基本的な考え方を学び,計算機を用いた数値解析技術を習得する.

課題4: 卒業研究のためのPC活用入門 (担当: 柳谷伸一郎・南康夫). コンピュータを使い,「論文検索」,「物理シミュレーション」,「グラフ化」,「レポート作成」に関した課題を,自ら検索・調査し,また,それを報告書(レポート)の形で正確に伝える技術の習得を目的とする.また,物理シミュレーションに関してはCOMSOL Multiphysicsを用いた実習についても行う.

課題5: 画像処理の基礎 (担当: 水科晴樹).画像生成あるいは画像処理を行う問題を設定し,計算機を用いてその問題を解決する技術の習得を目的とする.最後に発表会を行う.また,バーチャルリアリティ機器の実習も行う.

課題6: コンピュータグラフィックスの基礎 (担当: 河田佳樹・鈴木秀宣).オブジェクト指向言語(C++)の設計・実装の技術を習得してコンピュータグラフィックスの基礎となる部品群を作成する.画像の幾何変換や表示について取り組む.

到達目標


  1. 光学材料,光デバイスから光情報システムまでの光技術に関する基本的な課題に取り組み,計算機を有効に活用できる能力を高め,光技術者として計算機を用いた問題解決能力を養うことを目標とする. 以下に,各課題に対する到達目標を示す.

  2. 課題 1(a):半導体レーザに関わる数式の数値計算プログラムを作成し、それを用いてデバイスの簡単な設計ができる.

  3. 課題1(b):Visual C++を用いてデータ解析アプリケーションが作れる.

  4. 課題1(c):計算機上で乱数を発生させ, その性質を把握した上でそれを使えるようにする.強磁性的イジング模型を例に, 次のシミュレーションを実行させる:(1)エネルギーが減少する方向への系の発展.(2)メトロポリス法に基づいての, ボルツマン重み付きのサンプリング.また,(3)それらの一般的な物理的意味を理解する.


  5. 課題2(b):与えられた分子のスペクトルが計算できる.

  6. 課題2, 3(c):・実装されているグラフィック関数の理解及び使用できること.・2次元のグラフィックス関数がプログラミングできること.・レイトレーシングの基礎技術がプログラミングできること.・工夫を凝らした仕様案に基づきプログラミングできること.

  7. 課題3(a) (担 当: 山本 裕紹) ・計算機を活用するような問題設定を行なうこと.・設定した問題を解決するアルゴリズムを構築すること.・プログラムの目的,内容,工夫点を発表できること.

  8. 課題3(b) (担 当: 柳谷伸一郎) ・画像データから,定量化,可視化,発表原稿の作成まで行えるようにする・論文のように構造化された文章について理解し,自ら作成することができるようにする.

授業計画

1. 計算機実習ガイダンス
2. 第Ⅰ期(1回目)
3. 第Ⅰ期(2回目)
4. 第Ⅰ期(3回目)
5. 第Ⅰ期(4回目)
6. 第Ⅰ期(5回目)
7. 第Ⅰ期(6回目)
8. 第Ⅰ期(7回目)
9. 第Ⅱ期(1回目)
10. 第Ⅱ期(2回目)
11. 第Ⅱ期(3回目)
12. 第Ⅱ期(4回目)
13. 第Ⅱ期(5回目)
14. 第Ⅱ期(6回目)
15. 第Ⅱ期(7回目)

課題別の授業計画は以下の通りである.

課題1(担当:岡本敏弘)
1. Pythonプログラミングの練習
2. 光共振器の特性
3. 光導波路のモードI
4. 光導波路のモードII
5. 電界強度分布と光閉じ込め係数
6. パルス動作シミュレーション
7. 半導体レーザの設計

課題2 (担当: 岸川博紀)
1. 数式処理ソフトの使用法
2. 行列法による偏光の表現
3. 行列法による偏光の計算1
4. 行列法による偏光の計算2
5. 偏光子と波長板による偏光の変化の計算1
6. 偏光子と波長板による偏光の変化の計算2
7. 偏光子と波長板による偏光の変化の計算3

課題3 (担当: 片山哲郎)
1.ガイダンス、数式処理ソフトの使用方法
2.光計測解析の基礎1
3.光計測解析の基礎2
4.光計測解析の応用1
5.光計測解析の応用2
6.時系列データに対する解析演習
7.スペクトルデータに対する解析演習

課題4(担当:柳谷伸一郎・南康夫)
1. ガイダンス、ビジネスメールの基礎、報告書の作成
2. 論文検索、文献管理ツール (Scopus, Mendeley)
3. 論文検索、文献管理ツールに関する口頭発表
4. 物理シミュレーション(COMSOL)
5. 物理シミュレーション(COMSOL)
6. 物理シミュレーション(COMSOL)、理工系の文章について
7. レポート指導

課題5 (担当: 水科晴樹)
1.ガイダンス,基本スキル演習
2.画像生成・処理の基礎(講義),テーマ設定
3.バーチャルリアリティ実習
4.テーマ発表,ソフトウェアの設計
5.プログラムモジュールの作成
6.ソフトウェア実装.説明資料作成
7.課題発表審査会

課題6 (担当: 河田佳樹・鈴木秀宣)
1.オブジェクト指向言語の基礎1
2.オブジェクト指向言語の基礎2
3.C++言語の基礎1
4.C++言語の基礎2
5.C++言語の基礎3
6.コンピュータグラフィックス実験1
7.コンピュータグラフィックス実験2

教科書

Cによる算法通論/森口繁一 [ほか]編,:東京大学出版会,1992, ISBN:9784130621328,課題5

キーワード

計算機プログラミング, 光学,光学材料, 光デバイス, 光情報システム