工学系

知能情報コース

離散数学

科目分野 理工学部
選必区分 情報系は必修,光系は選択
担当教員
[ローマ字表記]
光原 弘幸 [Hiroyuki Mitsuhara]
授業形態 講義

授業の目的

計算機科学の基礎である離散数学を工学的立場から講義し,演習・レポートを通して理論と情報処理手法を修得させ,離散的手法の理解と応用力を育成する。

授業概要

抽象的表現を用いた問題解決ツールとして離散数学を位置づけ,集合の諸概念及び集合・論理演算、数学的帰納法,関係の諸概念とその幾何学的表現,関数の諸概念とその幾何学的表現,ベクトル・行列の諸概念とそれによる図形処理などに関する問題解決を取り扱う。離散数学の主要な応用例であるデータベースシステムや図形処理システムを取り上げ,データベース言語SQLにおける集合や関係の扱い方,検索アルゴリズムおよびプログラム,2次元アフィン変換における各種変換関数の実例を示して実践的な理解につなげる。授業中に演習問題を出題し,その正誤傾向を示しながら,再説明などで理解をうながす。

到達目標

計算機科学の基礎である離散数学を工学的立場から理解することを目指し,以下の到達目標を掲げる。
1. 集合の概念及び集合・論理演算や数学的帰納法による問題解決を説明できる。
2. 関係の概念を説明でき,関係を幾何学的に表現しながら関係に係わる問題解決を説明できる。
3. 関数の概念を説明でき,関数を幾何学的に表現しながら関数に係わる問題解決を説明できる。
4. ベクトルと行列の概念を説明でき,図形処理を含めた行列演算による問題解決を説明できる。
5. 離散数学の諸概念をデータベースシステム等におけるアルゴリズムやプログラミングに適用できる。

授業計画

第1回:離散数学の概要,応用例
第2回:集合と要素,集合の種類,ベン図,集合演算
第3回:集合の類,べき集合,命題計算,論理演算
第4回:数学的帰納法,プログラミングにおける集合の表現手法
第5回:関係,関係の幾何学的表現,プログラミングにおける関係の表現手法
第6回:逆関係,関係の合成,関係の性質
第7回:分割,同値関係,半順序関係
第8回:全順序関係,ハッセ図
第9回:束,ブール代数
第10回:関数,関数のグラフ,添数付き集合族,基数,プログラミングにおける関数
第11回:代数系,半群と群,環と体
第12回:ベクトルと行列
第13回:行列演算とプログラミング,図形処理(2次元アフィン変換)
第14回:離散数学とデータベースシステムの関係性(検索アルゴリズム・プログラム等)
定期試験
第15回:定期試験解答と総括

教科書

離散数学-コンピュータサイエンスの基礎数学/Seymour Lipschutz 著,成嶋 弘 監訳:オーム社,1995, ISBN:9784274130052

キーワード

集合,関係,関数,グラフ