科目分野	理工学部
選必区分	選択
担当教員 ［ローマ字表記］	池田　建司　[Kenji Ikeda]
授業形態	講義

授業の目的

物理システムの解析及び構築技術に不可欠な線形システム解析技術の基本的な考え方を理解させる。

授業概要

本講義の前半では，線形システムの基礎的な自動制御を例にとり，制御理論を展開する上で重要な役割をはたすラプラス変換，ラプラス逆変換，微分方程式のラプラス変換による解法，伝達関数，ブロック線図などの基本概念を述べる。後半では制御系のステップ応答や周波数応答に関する解析手法，制御系の安定性の概念，安定性判別法，および制御系の設計手法の基礎についても触れる。なお，講義を聴講するだけでは理解の難しいと思われる項目については，教科書の例題を中心に演習を行う。

到達目標

1. 物理システムの解析及び構築に不可欠な技術である線形システム解析の基本的手法を理解し，応用力をつける．


2. ラプラス変換を用いて線形微分方程式を解くことができる．


3. ボード線図上で安定余裕を読み取ることができる．


4. 部分的モデルマッチング法によって，I-PD制御系を設計できる．

授業計画

1. 制御の目的と定義，フィードバック制御の概念


2. 動的システムのモデル表現


3. ラプラス変換，微分方程式の解法


4. 伝達関数の定義，おくれ要素，次数と過渡応答


5. 演習1(ラプラス変換と伝達関数)


6. ブロック線図の構成単位と結合，等価変換


7. 周波数応答の定義，表現形式


8. 演習2(ブロック線図と周波数応答


9. 内部安定性と入出力安定性


10. Routh-Hurwitzの安定判別法


11. Nyquistの安定判別法，フィードバック系の安定性と安定余裕


12. 制御系設計の基礎，PID制御


13. 部分的モデルマッチングによるI-PD制御系の設計


14. 演習3(安定性とPID制御)


15. 演習4(模擬試験，線形システム解析)


16. 定期試験

教科書

自動制御の講義と演習／添田喬, 中溝高好 共著,：日新出版，1988, ISBN:9784817301376

キーワード

動的システムの制御, ラプラス変換, 伝達関数, 周波数応答, 安定性, PID制御