工学系

電気電子システムコース

電子物性工学

科目分野 理工学部
選必区分 選必修
担当教員
[ローマ字表記]
直井 美貴 [Yoshiki Naoi]
授業形態 講義

授業の目的

電子物性工学とは,物質の諸性質(電気的・誘電的・磁気的性質)を,物質を構成している原子・分子・電子の振る舞いを基礎として微視的立場から考察するものであり,デバイス材料の製造,電子デバイスの設計,デバイス特性改善の基礎となる学問領域である.本科目では,物質の微視的性質を学修し,また巨視的性質との対応を理解することを目的とする.

授業概要

トランジスタや集積回路(IC)をはじめとする電子デバイスの動作原理を理解するためには,そのデバイスを構成する物質内の電子等の微視的振る舞いを理解することが不可欠である.この理解があって新デバイスの設計がはじめて可能となる.本講義では,実際のデバイス動作を常に考えながら,物質の誘電的・電気的・磁気的性質についての講義を行う.また,講義内容を理解するための演習を講義中に同時に行う.

到達目標

1.物質の性質を微視的立場から理解できる.
2.物質の性質を,巨視的・微視的観点両方から相互に関連づけて理解できる.
3.物質量の単位・次元を把握できる.
4.物質の示す誘電的・電気的・磁気的・光学的性質などの基礎物理現象が理解できる.

授業計画

第1回:電子物性工学とは
第2回:物質の構造・化学結合
第3回:原子密度,格子定数
第4回:結晶構造解析,結晶成長
第5回:格子振動
第6回:固体の熱的性質
第7回:オームの法則
第8回:電子伝導モデル
第9回:光吸収・発光現象
第10回:反射,屈折,透過
第11回:誘電率
第12回:電気分極
第13回:誘電分散,誘電損
第14回:磁性の原因,磁性体
第15回:超伝導現象
第16回:最終試験

教科書

電子物性/松澤,高橋,斉藤:森北出版,2010, ISBN:9784627772021

キーワード

微視的性質, 電気物性, 光物性, 誘電性, 磁性