岩石解析学
科目分野 | 理工学部 |
---|---|
選必区分 | 選択 |
担当教員 [ローマ字表記] |
青矢 睦月 [Mutsuki Aoya] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
地球構成物質のうち主に変成岩について、数km~数ミクロンに渡る様々な規模での構造や組成の解読法を学ぶ。また得られた情報に対する地球科学的な解釈のやり方を併せて学ぶ。
授業概要
主に四国の三波川変成帯とその構成岩石を対象とし,露頭観察に基づく変形構造解析,偏光顕微鏡観察に基づく微細構造解析,相平衡岩石学(熱力学)に基づく変成反応の理論,岩石が辿った圧力・温度・変形履歴の解読,及びそのモデル計算による解釈を扱う.特に前半部では地盤工学の基礎データとなる基盤地質図の作成過程についても触れたい.
基本的に講義形式で進め,授業時間内に小テスト(またはレポート)を課す.小テストの模範解答は次回授業時に示す.また小テスト・レポートには質問記入欄を設け,学生から出た質問には次回授業時に可能な限り回答・コメントする.
到達目標
1.塑性変形を受けた岩石にどのような構造・微細構造が発達するかを理解する。
2.変成作用(温度・圧力条件の変化)によって岩石中の鉱物組み合わせが変化すること、及び
三波川変成岩を構成する主な変成鉱物を理解する。
3.三波川変成岩中に変成・変形作用の履歴が記録されていることを理解する。
4.モデル計算によって解釈を与えることで、変成岩の記録した履歴に巨視地球科学的な意味づけが
できる事を理解する。
授業計画
第1回:変成作用に関する基本概念:原岩,変成度,変成相
第2回:野外構造1:変形段階の認識
第3回:野外構造2:歪み楕円体と歪み解析
第4回:野外構造3:三波川帯における歪み解析の解釈
第5回:野外構造4:日比原の南北断面図
第6回:野外構造5:剪断センスの認識(チベット含む)
第7回:微細構造1:偏光顕微鏡と変成鉱物
第8回:微細構造2:鉱物成長と変形の前後関係
第9回:微細構造3:変成・変形史の解読
第10回:岩石学1:相平衡岩石学の基礎
第11回:岩石学2:圧力・温度履歴
第12回:熱モデル計算1:定常状態の大陸地殻
第13回:熱モデル計算2:接触変成作用
第14回:熱モデル計算3:海嶺接近モデルと三波川帯への適用
第15回:期末試験
第16回:総括授業
教科書
特に指定しない。授業時に資料を配付する。
キーワード
変成岩,変成鉱物,化学組成,変形構造,褶曲,片理,歪み楕円体,圧力・温度履歴,熱流方程式