科目分野	理工学部
選必区分	選択
担当教員 ［ローマ字表記］	山本　孝　[Takashi Yamamoto]
授業形態	講義

授業の目的

化学反応熱、化学平衡、物理平衡、起電力等を熱力学をもとにして系統だてて理解すること、また反応速度を左右する因子について理解し、実際の物質変化が自由エネルギー変化と反応速度とに関係していることを理解する。

授業概要

熱力学と化学反応速度について、（１）標準生成エンタルピーから定圧と定積の化学反応熱を算出できるようにすること、（２）標準生成自由エネルギーから平衡定数を算出できるようにすること、（３）溶液についての諸法則、電極電位、膜電位を熱力学的に理解すること、 （4 ）化学反応速度を左右する諸因子について理解することを達成すべく、講義を行う．

授業計画

1.SI単位系，理想気体の諸法則について講義する．
2.分子の運動，熱エネルギーおよび温度の関係について講義する．
3.化学物質がもつエネルギーについて講義する．
4.物理化学的変化による内部エネルギーとエンタルピー変化について説明する．
5.標準生成エンタルピーと化学反応熱および結合エネルギーについて講義する．
6.物理化学的変化とエントロピーおよびギブスの自由エネルギー変化との関係を説明する．
7.気体の圧力と自由エネルギーの関係，気体反応の平衡定数との関係について講義する．
8.標準生成自由エネルギーとそれを使っての平衡定数の求め方について述べる．
9.中間試験をする．
10.物理平衡について述べ，溶液の自由エネルギーと濃度の関係について講義する．
11.1成分，2成分，3成分系の相律について講義する．
12.気体，溶液，固体の活動度と自由エネルギーとの関係を導く．
13.一般の化学平衡，膜平衡について講義する．
14.化学反応反応速度と温度，濃度，触媒との関係をのべる．
15.複合反応，連鎖反応，酵素反応，遷移状態理論についてふれる．
16.期末試験．

教科書

アトキンス物理化学（上）／Peter Atkins, Julio de Paula 著,中野　元裕 　 上田　貴洋 　 奥村　光隆 　 北河　康隆訳,：東京化学同人，2017, ISBN:9784807909087，生協で販売します．

キーワード

化学反応熱，化学平衡，相平衡，溶液の物理化学的法則，化学反応速度