理学系

生物科学系講座

分子発生学

科目分野 理工学部
選必区分 選択
担当教員
[ローマ字表記]
真壁 和裕 [Kazuhiro Makabe]
授業形態 講義

授業の目的

動物の初期発生において単細胞の受精卵から、胚をつくる個々の細胞がお互いに異なったものに分化し、ついで体軸ができ、それに沿って秩序正しく多細胞個体ができていく際に見られる基本的かつ代表的な現象を取り上げて、動物のさまざまな体とその形が作り上げられる過程の基本的な概念とその進化的側面を理解することを主な目的とする。基礎的な発生生物学上の概念を理解し、細胞レベル・分子レベルで発生現象を説明できるようになることが目標である。

授業概要

地球上の生物の「遺伝情報」は、細胞分裂を通じて娘細胞へ、また生殖細胞を通じて子孫へと受け継がれる。この遺伝情報の担い手が「遺伝子」である。遺伝子は、情報を運ぶ媒体であるとともに化学物質であるという側面を持つ。この授業では、遺伝子の物質的な側面を、その構造・複製・修復という観点から学ぶ。また、遺伝情報がタンパク質として発現される仕組み、調節についても学ぶ。さらに原核生物と真核生物における遺伝子の構造や、遺伝情報発現の違いについても理解する。

到達目標

基礎的な発生生物学の概念を理解し、細胞や分子の言葉で発生を説明できるようになること。

授業計画

第1回:発生学の歴史・生活環と発生
第2回:個体発生と系統発生
第3回:母性因子と細胞内局在
第4回:内在性因子と外因性因子
第5回:有向誘導と非対称分裂
第6回:モルフォゲン勾配
第7回:囲卵腔とプロテアーゼカスケード
第8回:オーガナイザー
第9回:側方抑制と等価群
第10回:Hoxクラスター
第11回:進化と発生(EvoDevo)
第12回:ツールキット遺伝子とマスター遺伝子
第13回:遺伝子調節カスケード
第14回:発生システムの進化
第15回:定期試験
第16回:総括

キーワード

動物の初期胚、細胞分化、遺伝子、進化