科目分野	理工学部
選必区分	必修
担当教員 ［ローマ字表記］	八木下　史敏，荒川　幸弘　[Fumitoshi Yagishita, Yukihiro Arakawa]
授業形態	講義

授業の目的

有機化学の理学的側面を体系的に理解するとともに，それらを医薬品，農薬，合成高分子などの複雑な有機化合物の合成に活用する工学的な応用力を身につけるために，ハロゲン，芳香環，炭素―酸素単結合，炭素－硫黄単結合を含む官能基の化学を修得する．

授業概要

ここまで有機化学序論および有機化学1で学修した内容に基づいて，ハロゲン，芳香環，炭素―酸素単結合，炭素－硫黄単結合を含む官能基の化学について講述する．具体的には，ハロゲン化アルキル，共役化合物，芳香族化合物，アルコール，フェノール，エーテル，チオール，スルフィドについてそれらの構造，物性，製法，反応をそれぞれ講述し，有機化学の理学的側面を系統的に理解させるとともに，それらを医薬品，農薬，合成高分子などの複雑な有機化合物の合成に活用する工学的な応用力を身につける．

到達目標

1．ハロゲン化アルキル，共役化合物の構造，物性，製法，反応を理解し，反応機構および合成経路を提案できる（1回～7回）．
2．芳香族化合物，アルコール，フェノール，エーテル，チオール，スルフィドの構造，物性，製法，反応を理解し，反応機構および合成経路を提案できる（8回～16回）．

授業計画

1．有機ハロゲン化物（命名法，アルカンからの合成，アルケンからの合成，アリルラジカルの安定性）
2．有機ハロゲン化物（アルコールからの合成，Grignard試薬，有機金属カップリング反応）
3．ハロゲン化アルキルの求核置換反応（SN1反応，SN2反応）
4．ハロゲン化アルキルの脱離反応（E1反応，E2反応）
5．共役化合物（共役ジエンの安定性，アリル型カルボカチオン，速度支配と熱力学支配）
6．共役化合物の反応（Diels-Alder反応）
7．復習と演習
8. ベンゼンと芳香族性（命名法，構造と安定性，芳香族性）
9．ベンゼンと芳香族性（芳香族イオン，複素環式芳香族化合物，多環式芳香族化合物）
10．芳香族求電子置換反応（臭素化，Friedel-Crafts反応，置換基効果）
11．芳香族化合物の反応（芳香族求核置換反応，ベンザイン，酸化，還元）
12．アルコールとフェノール（命名法，性質，製法，合成）
13．アルコールとフェノール（反応，酸化，保護）
14．エーテル（命名法，合成，開裂，Claisen転移）
15．エポキシド，チオール，スルフィド
16．定期試験

教科書

マクマリー有機化学（上）第9版／JOHN McMURRY 著,伊東[ショウ], 児玉三明 訳者代表,：東京化学同人，2017, ISBN:9784807909124
マクマリー有機化学（中）第9版／JOHN McMURRY 著,伊東[ショウ], 児玉三明 訳者代表,：東京化学同人，2017, ISBN:9784807909131
HGS分子構造模型 有機化学学生用セット／丸善出版：丸善出版，2017, ISBN:9784621301296

キーワード

ハロゲン化アルキル，求核置換反応，脱離反応，芳香族化合物，芳香族求電子置換反応，アルコール，フェノール，エーテル