工学系

応用化学システムコース

化学反応工学

科目分野 理工学部
選必区分 必修
担当教員
[ローマ字表記]
堀河 俊英 [Toshihide Horikawa]
授業形態 講義

授業の目的

工業用反応装置の設計には,理学的な化学の成果に基づた装置形式の選定,選定した装置のフロー構成,化学の製造分野で最も多く利用されている固定反応装置や分散系反応装置に係わる要素を理解する必要がある。この授業では,これらの要素を様々な化学プロセスを例として理解するとともに,工業用装置において固体触媒を利用する際に問題となる圧力損失や触媒有効係数などの実用的な観点から理解する.このコースのDPには,「化学者あるいは化学技術者として世界規模の産業構造や社会経済の変化に柔軟かつ的確に対応できる」が含まれている.

授業概要

工業用反応装置の設計に必要とされる化学反応工学の基礎理論を理解する. 具体的には,化学プロセスの構成要素を講述した後に,プロセスフローシートを理解する. その上で,化学プロセスの事例,最も化学プロセスで利用されている固体触媒を充填した固定床反応装置における固体触媒の粒内拡散係数,触媒有効係数,圧力損失,移動現象論などの化学反応工学,さらには分散系反応装置における混合特性,最小撹拌速度,粒径分布,トレーサー収支などの化学反応工学を理解する. 授業中に具体的なイメージを持ってもらうために,積極的な質疑応答を行う.

到達目標


  1. 化学プロセスの構成要素,化学プロセスの事例およびプロセスフローシートを説明する

  2. 固体触媒の反応過程と触媒有効係数を説明する

  3. 固定床の化学工学を説明する

  4. 分散系の反応工学を説明する

授業計画

各回ごとに配布した資料を事前に読み,専門用語の意味を理解しておくこと


  1. 化学反応工学とは

  2. 化学反応,反応器と反応操作の分類

  3. プロセスフローシートの読解

  4. 工業触媒を用いた化学プロセスの事例

  5. 吸着理論

  6. 多孔質とその空孔組織

  7. 接触反応の解析,粒内拡散,触媒有効係数

  8. 中間までの演習と解説

  9. Thiele modulus,触媒の性能

  10. 輸送現象の相似則,流動問題

  11. 管路の流体力学,充填層圧力損失と触媒有効係数

  12. 伝熱問題,輻射,伝導伝熱

  13. 拡散問題,充填層の有効拡散定数

  14. 分散系の分類,液分散の最小攪拌速度,液径分布

  15. 液々分散系の速度解析,トレーサー収支

  16. 期末テスト

教科書

講義に使う資料は全て前もってLMSに公開する.

キーワード

物質・エネルギー収支, 触媒有効係数, 移動現象論, 混合特性, 吸着理論