高分子化学2
科目分野 | 理工学部 |
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選必区分 | 選択 |
担当教員 [ローマ字表記] |
右手 浩一 [Kohichi Ute] |
授業形態 | 講義 |
授業の目的
プラスチックスやゴム,繊維として衣料や家庭用品に使用される汎用高分子をはじめ,電子機器,自動車,航空機,医療分野などの先端的用途に使用される機能性高分子の研究開発は,化学系素材産業の根幹であり,わが国の技術が優れた競争力を有する分野である.この講義では,高分子合成化学における最近の進歩や学術的動向に言及しながら,その理解に不可欠な付加重合と開環重合ならびに高分子反応の基礎概念を学ぶ.また,高分子希薄溶液物性,高分子固体構造論の基本概念を学ぶ.
授業概要
アニオン開始剤,カチオン開始剤および遷移金属錯体触媒による付加重合と開環重合の基礎(テキスト第6章),ならびに,高分子反応の主要な項目(テキスト第9章)を解説する.また,高分子の研究を行ううえで必要な,高分子溶液の性質(テキスト第3章),ならびに,ポリマーの固体構造(テキスト第4章)の基本部分について平易に解説する.
到達目標
- 汎用高分子と機能性高分子の特性を学び,その背景にある化学と技術について理解を深める.
- モノマーの構造と反応性との関係を知り,重合反応のメカニズムを理解する.
- 重合活性種(ラジカル,イオン,有機金属結合)の特徴と性質を理解する.
授業計画
- 序論(授業の概要,高分子の化学・技術のトレンド,ビニルモノマーと環状モノマー)
- イオン重合1(ビニルモノマーの構造と反応性,イオン重合の特徴)
- イオン重合2(アニオン重合の開始剤と開始反応,リビングアニオン重合)
- イオン重合3(極性モノマーのアニオン重合,リビング重合の応用)
- イオン重合4(アニオン共重合,カチオン重合)
- イオン重合5(カチオン重合,リビング重合の応用)
- 配位重合1(チーグラー・ナッタ触媒によるエチレンの重合)
- 配位重合2(プロピレンの立体特異性重合)
- 配位重合3(メタロセン触媒,オレフィンの共重合)
- 中間試験(解説)
- 開環重合1(環状エーテルの重合)
- 開環重合2(ラクトンとラクタムの重合)
- 高分子反応(高分子反応の分類と特徴)
- 高分子反応(ブロック・グラフトポリマー,側鎖での高分子反応)
- 期末試験
教科書
基本高分子化学/柴田充弘 著:三共出版,2012, ISBN:9784782706749
キーワード
イオン重合,遷移金属触媒重合,リビング重合,開環重合,高分子反応,平均分子量および分子量分布の測定法,高分子結晶の構造